コーポレートガバナンス
■基本的な考え方
当社グループは、「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」というグループミッションのもと、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会等全てのステークホルダーに価値を提供することで、持続的な成長と長期的な企業価値の向上を実現していきます。当社グループの事業領域である医療・介護/障害福祉・ヘルスケア・シニアライフの市場は、加速度的に成長し、非常に変化が激しいため、迅速で果断な経営判断を適時適切に行っていく必要があります。同時に、全てのステークホルダーの信頼を得られる透明性と公正性を伴う健全な経営体制の構築が不可欠です。
コーポレート・ガバナンスは、透明・公正かつ迅速・果断な経営の意思決定を実現するための仕組みであり、グループミッションを実現し長期的に企業価値を向上させるためには、実効性のあるコーポレート・ガバナンスの実現が重要であると考えています。この認識に基づき、以下の基本方針に則って、コーポレート・ガバナンスを推進していきます。
(1)株主の権利・平等性の確保
①株主の権利の確保
当社は、少数株主・外国人株主も含めた全ての株主に対し、実質的な平等性を確保し、株主の権利の確保及び適切な権利行使に資するため、適時適切な情報開示を行うとともに、権利行使に関する環境整備に努めます。
②株主総会
当社は、株主総会を株主との建設的な対話の場であると考えており、株主が適切に議決権を行使できるよう、招集通知には賛否の判断に必要な情報を正確に記載するとともに、招集通知の発送に先立ち当社ウェブサイトへの掲載も行っています。
③資本政策
当社は、持続的な成長と長期的な企業価値の向上をもって株主に価値貢献をすることが重要だと考えています。限られた経営資源を効率的に活用し、株主資本コストを超える高いROEを維持しながら、1株当たり当期純利益を継続的に成長させていくことを目指しています。当社グループの事業領域である高齢社会に関連する市場には膨大な事業機会が生まれているため、獲得した利益は持続的な成長と長期的な企業価値の向上のために必要な投資に活用していきます。
大規模な増資等、既存株主の権利に影響を与える資本政策については、その権利を不当に害することのないよう、その必要性・合理性を十分に検討し適正な手続きを経て実施します。また、配当方針については以下のとおりです。
成長への投資を優先したうえで、財務の状況を勘案し、連結配当性向30%を目安に各期の業績に応じた配当を行うことを基本方針とします。ただし、M&A等の大きな投資機会発生の際には、この限りではありません。
④政策保有株式
当社は、政策保有株式として上場企業の株式を保有していません。今後についても、当社の戦略との整合性やシナジー効果、リスク等を総合的に勘案し、長期的な企業価値の向上につながることが合理的に説明できない場合は、保有しません。
⑤買収への対応方針(買収防衛策)
当社は、持続的な成長と長期的な企業価値の向上を図り、IR活動を通じ株主・投資家との良好な関係を構築することが、敵対的買収に対する防衛につながると考えており、買収への対応方針(買収防衛策)は導入していません。
⑥関連当事者取引
当社は、全ての取引について、社内規程に従い、取引の規模及び重要性に応じて、必要な審査・決裁を経て実施しています。
利益相反取引については、取締役会の決議及び報告が必要であると定めています。
関連当事者取引については、当該取引により当社が不利益とならないよう、市場における一般的な取引条件を勘案して決定するとともに、その取引状況をモニタリングしています。また、実施した場合は、計算書類の注記表及び有価証券報告書において開示を行います。
(2)株主以外のステークホルダーとの適切な協働
当社は、グループミッションに掲げるとおり、事業活動を通じて社会に貢献し続けることを目指しています。そのためには、株主はもとより、顧客、取引先、従業員、地域社会等、全てのステークホルダーと良好な信頼関係を築き、協働していくことが不可欠です。各ステークホルダーに対する当社の基本的な考え方は以下のとおりです。
- 顧客である事業者・従事者・エンドユーザに対しては、情報をコアとしたサービスを通じて、価値を提供します。
- 取引先に対しては、適正な品質の商品やサービスを適正な価格で調達することにより、健全な共存関係を築きます。
- 従業員に対しては、事業の持続的な成長を通じた様々な成長機会を提供し、会社と従業員の相互発展を目指します。
- 地域社会に対しては、事業活動を通じて高齢社会にまつわる様々な社会課題を解決することで、その持続的な発展に貢献します。
(3)適切な情報開示と透明性の確保
当社は、適時適切な情報開示を行い、説明責任を十分果たすことが上場企業としての責務であると考えています。会社法・金融商品取引法をはじめとする法令及び東京証券取引所上場規則に基づく開示はもちろんのこと、株主・投資家の投資判断に影響を与える情報については、適時適切に開示を行います。
(4)取締役会等の責務
当社は、市場が加速度的に成長し、非常に変化が激しい領域で事業を行っており、グループミッションの実現と長期的な企業価値の向上を目指す上で、迅速で果断な経営判断を適時適切に行える経営体制の構築が必要不可欠です。そのため、監査等委員会設置会社制度を採用し、取締役会から代表取締役社長等に対し業務執行に係る権限を委譲することで迅速で果断な経営判断を促し、取締役会においては経営戦略及び経営課題に関する議論等、より大局的・実質的な議論を行うとともに、業務執行に対する監督機能の強化を図っています。また、監査等委員会においては、取締役会の議決権を有する監査等委員(いずれも独立社外取締役)が監査を行うことにより、監査・監督の実効性の向上を図っています。加えて、取締役の指名、経営陣幹部の選定・解職及び監査等委員でない取締役の報酬決定における客観性・公正性・透明性の確保を目的として、指名・報酬諮問委員会を設置しています。取締役の指名にあたっては、経営環境が激しく変化するなかで、その時々で最も相応しい取締役会の構成を実現するために、当社事業に対する深い理解や、財務・会計・法務・企業経営等に豊富な経験と幅広い見識のある者等を年齢・性別・国籍を問わず候補者とする方針としています。具体的には、取締役会の構成員については、その経歴、専門分野、国際経験などの多様性を実現することとしています。また、社外取締役(監査等委員)については、在任期間が長い役員の経験を活かすことと、新たな役員による社外の新しい視点を入れることの調和を図るべく、在任期間についても多様性を実現することとしています。
以上の体制により、各取締役がその職責を果たすことが可能となり、グループミッションを実現し、長期的に企業価値を向上させることができると考えています。
(5)株主との対話
当社は、グループミッションの実現と長期的な企業価値の向上を目指す上で、長期的な視点を持った株主・投資家との建設的な対話が必要不可欠であると認識しています。そのため、株主との対話については、最高財務責任者である取締役経営管理本部長が統括し、代表取締役社長と連携し対話の方針を決定しております。四半期ごとの決算説明会で代表取締役社長自らが経営戦略や経営状況について説明しているほか、個別取材にも積極的に応じています。また、必要に応じて社外取締役と株主との対話の機会を設けています。