サステナビリティ
エス・エム・エスのサステナビリティ
サステナビリティへの考え方
エス・エム・エスグループでは「永続する企業グループとして成長し続け、社会に貢献し続ける」ことを普遍的に追い求めるべき経営理念に据え、会社が成長を伴いながら永続していくことを通じ、社会への貢献の総量を拡大していきたいと考えています。
その中での当社グループが実現すべき使命として、「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」をミッションに掲げています。
高齢社会で生じる様々な社会課題の解決を事業の根幹に据えて取り組み、グループミッションを実現することで、持続可能な社会の実現につながると考えています。また、事業活動を通じて社会課題解決に取組むことで、社会に求められる企業として持続的な成長が可能となります。持続的な成長の積み重ねによって長期的な企業価値が向上していくことで、より強力にグループミッションの実現を後押しし、持続可能な社会の実現につなげることができます。
加えて、これらの社会との共通価値を創造する活動を支え推進するためには、社会の要請を踏まえながら、ガバナンス、人的資本、地球環境への配慮、情報セキュリティ、人権の尊重、腐敗・贈収賄防止等の観点を含め、経営基盤を整備・強化していくことが重要だと考えています。
様々なステークホルダーの信頼と期待を真摯に受け止めながら、これらの活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
高齢社会の社会課題解決による価値創造
当社グループでは、高齢社会に関連する3つの社会課題に対し、具体的な解決の方向性を考え、解決を目指し、事業を展開しています。
これらの高齢社会における社会課題と解決の方向性を踏まえ、日本においては、キャリア、介護・障害福祉事業者、ヘルスケア、シニアライフの4つの事業領域で、課題解決に取り組んでいます。
課題1:質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が困難に
高齢化に伴い医療や介護/障害福祉の需要が増大する一方で、生産年齢人口の減少により、これらのサービスを支える従事者の不足が深刻な課題となっています。国の推計によると、医療・介護/障害福祉従事者の需給ギャップは2025年に看護職で6~27万人、介護職で22万人にまで拡大する見込みであり(※)、高齢者や患者のケアを担う従事者の不足により、質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が難しくなると予想されます。
※看護師:厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会」介護職:厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
解決の方向性:介護/障害福祉・医療の人手不足と偏在の解消
取り組む事業領域:キャリア
関連するSDGs
キャリア事業領域においては、「質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が困難になる」という社会課題(課題1)に対し、医療・介護/障害福祉従事者と事業者の最適なマッチングを通じ、「医療・介護/障害福祉の人手不足と偏在の解消」に貢献することで解決を目指しています。
キャリア事業領域における取組み
医療キャリアにおいては、従事者の職業人生の全期間を通じ、就職・転職・復職支援、スキル・キャリアアップ情報の提供など、従事者が理想のキャリアを歩むための支援を行うとともに、必要とされる医療機能・地域の事業者への最適なマッチングを促進することにより、医療従事者の不足・偏在の解消に取り組んでいます。
また、介護キャリアにおいては、資格取得スクールを通じて未経験者の資格取得を支援し、良い事業者への就業をサポートすることで、業界外からの新規就業を促進しています。また、事業者における採用や労働環境の改善などの人材関連課題の解決支援を通じ、より良い職場環境づくりに貢献するとともに、従事者との最適なマッチングにより業界からの人材の離脱を防止し、介護/障害福祉従事者の不足の解消に取り組んでいます。
医療・介護/障害福祉の専門職として理想のキャリアを歩みながらイキイキと働く従事者と、良い人材と良い経営に支えられた事業者を通じて、エンドユーザである患者や高齢者の方々が、質の高い医療・介護/障害福祉サービスを継続的に享受できるようになり、持続可能な社会の実現に貢献できると考えています。
解決の方向性:介護/障害福祉事業者の経営改善
取り組む事業領域:介護・障害福祉事業者
関連するSDGs
介護・障害福祉事業者事業領域においては、「質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が困難になる」という社会課題(課題1)に対し、介護・障害福祉事業者向け経営支援プラットフォーム「カイポケ」の提供を通じ、「介護/障害福祉事業者の経営改善」に貢献することで解決を目指しています。
介護・障害福祉事業者事業領域における取組み
高齢者人口の増加とともに介護事業者は継続して増加している一方で、小規模な事業者も多く、書類作成などの間接業務の多さ、人手不足、購買力の弱さ、資金繰り難等の様々な業務上・経営上の問題により、本来注力すべき高齢者ケアに十分集中できないことが事業者共通の悩みの種となっています。また、障害への理解の深まり・診断のハードルの変化等により、障害福祉サービスの利用者数は年々増加傾向にあります。それに応じて、障害福祉サービスを提供する事業所数も継続して増加しているものの、介護事業所と同様の経営課題を抱えています。「カイポケ」では、介護/障害福祉事業所の運営に不可欠な保険請求の機能に加え、業務・採用・購買・金融・営業・M&Aなどを支援する40以上のサービスをワンストップで提供することにより、介護/障害福祉事業所の経営を総合的に支援し、事業者の経営改善とサービス品質向上に取り組んでいます。
「カイポケ」の利用を通じて経営が改善した事業者と、そこでイキイキと働く従事者を介して、エンドユーザである高齢者や利用者とそのご家族は質の高い介護/障害福祉サービスを継続的に享受できるようになり、持続可能な社会の実現に貢献できると考えています。
課題2:現役世代の負担がより深刻に
高齢者人口の増加を受け、年金・医療・介護等を支える社会保障費は、2040年には2018年と比較して約1.6倍の190兆円近い規模に増大すると見込まれています(※1)。一方、生産年齢人口の減少により、医療・介護/障害福祉のみならず、日本のあらゆる産業で労働力が不足していきます。そして、1人の高齢者を支える現役世代の人数は2018年の2.1人から2040年には1.6人にまで減少し、現役世代にかかる負担はますます重くなる見通しです(※2)。
※1 内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」金額は年金・医療・介護・その他福祉の合計
※2 総務省「国勢調査」「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」をもとに当社作成
解決の方向性:健康な労働力人口の増加
取り組む事業領域:ヘルスケア
関連するSDGs
ヘルスケア事業領域においては、社会保障費の増大と生産年齢人口の減少により「現役世代の負担がより深刻になる」という社会課題(課題2)に対し、企業の健康経営を支援するプラットフォームの提供を通じ、「健康な労働力人口の増加」に貢献することで解決を目指しています。
ヘルスケア事業領域における取組み
現役世代の中には、糖尿病などの重篤な病等に進行することも多い生活習慣病の患者やその予備群が多く存在し、過労やストレスに起因したメンタル不調も近年大幅に増加しています。労働力の減少を食い止め、その生産性を高めていく上では、人々が長く健康に働けることが不可欠です。国も生活習慣病予防やメンタルヘルス改善のための対策に力を入れており、中でも企業が従業員とその家族の健康増進に取り組む「健康経営」の普及促進に向けた政策を積極的に推進しています。当社では、医師や看護師、管理栄養士などの医療従事者の力を活用したエビデンスに基づくデジタルヘルスサービスを企業や健康保険組合に提供する健康経営支援プラットフォームを構築することで、従業員とその家族の健康増進に取り組んでいます。
企業の健康経営を支援することで、従業員とその家族のQOL(生活の質)が向上し、また、長期間に渡り、健康にイキイキと働ける人の増加につながり、持続可能な社会の実現に貢献できると考えています。
課題3:高齢社会の生活にまつわる困りごとの解決が困難に
高齢化の進行により、社会で必要とされるサービスも変化しています。高齢社会では、介護や終活といった新たなニーズが生まれ、その需要は拡大していきます。しかし、こうした高齢社会の生活にまつわる情報は質・量ともに不足しており、また整理された形で提供されていないという問題があります。さらに、今後多くの産業で労働力が不足することで、高齢社会で求められるサービスの供給自体が不十分となることも懸念されます。このため、高齢者やその家族にとって、生活におけるさまざまな困りごとの解決が難しくなることが想定されます。
解決の方向性:多様な選択肢と意思決定情報の提供
取り組む事業領域:シニアライフ
関連するSDGs
シニアライフ事業領域においては、「高齢社会の生活にまつわる困りごとの解決が困難になる」という社会課題(課題3)に対し、生活にまつわる悩みやニーズを抱えた人々を、その解決に役立つ相談先やサービスにつなぐ困りごと解決プラットフォームの構築を通じ、「多様な選択肢と質の高い意思決定情報の提供」をすることで解決を目指しています。
シニアライフ事業領域における取組み
介護で悩む人向けコミュニティサービスにおいて、他の介護者との交流や専門家からのアドバイスを通じて介護を中心とした多様な困りごとの解決を支援するとともに、住まい・食・終活など特定テーマの困りごとを持つ人々を、解決策を提供する事業者につなぐサービスを提供することで、エンドユーザが抱えるあらゆる困りごとの解決の総合的な支援に取り組んでいます。
エンドユーザの悩みや不安の解決につながる情報と多様な選択肢を提供することで、困りごとの解消や主体的な意思決定を通じたより良い暮らしにつながり、持続可能な社会の実現に貢献できると考えています。
海外
関連するSDGs
海外においては、医療関連事業者等と医療従事者をつなぐアジアパシフィック地域(APAC)に最適化されたメディカルプラットフォームを構築し医療関連事業者等のマーケティング活動を支援する「メディカルプラットフォーム事業」と、クロスボーダー/ドメスティックで医療事業者と医療従事者をつなぐ「グローバルキャリア事業」を展開しています。これらの事業展開を通じて、APACにおける医療の普及・安全性の向上と、世界的な医療従事者の不足と偏在の解消に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献できると考えています。
価値創造を支える経営基盤
持続可能な社会の実現に向け、事業活動を通じて価値創造を行う上で、その活動を支える経営基盤を整備・強化していくことが重要となります。
社会からの要請に応え、より透明で誠実な事業活動を可能とし、持続可能な社会の実現に貢献するため、様々な取組みを行っています。
ステークホルダーとの価値協創
当社は、企業経営において、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとする多様なステークホルダーとの価値協創が重要となっていることを踏まえ、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組んでまいります。
マルチステークホルダー方針外部からの主な評価
FTSE Blossom Japan Sector Relative Indexに選定
ロンドン証券取引所グループのFTSE Russellにより開発され、ESG (環境、社会、ガバナンス) 評価の高い日本企業のパフォーマンスを測定するために設計され、世界中の投資家から重要な投資判断基準として活用されています。当社は、2024年7月より構成銘柄に採用されています。FTSE Russell (FTSE International Limited と Frank Russell Companyの登録商標)はここに株式会社エス・エム・エスが第三者調査の結果、FTSE Blossom Japan Sector Relative Index組み入れの要件を満たし、本インデックスの構成銘柄となったことを証します。FTSE Blossom Japan Sector Relative Indexはサステナブル投資のファンドや他の金融商品の作成・評価に広く利用されます。
FTSE Blossom Japan Index Series
MSCI日本株女性活躍指数(WIN)に選定
米国のMSCI社によって開発されたESG投資のための株価指数で、親指数(MSCIジャパンIMIトップ700指数)における各GICS®*の業種分類から、性別多様性に優れた企業を選定して構築されるインデックス指数です。当社は、2024年6月より構成銘柄に採用されています。
*GICS:Global Industry Classification Standard 世界産業分類基準
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持続可能な社会の実現に向けて、事業活動における環境負荷の低減に取り組んでいます。
人材の活用と人権の尊重に対する考え方についてご紹介します。
外部パートナーとの連携を通じ、自社および業界全体のサービス品質向上に取り組んでいます。
情報セキュリティの考え方についてご紹介します。
コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方・体制を掲載しています。
コンプライアンス体制の維持・向上に取り組んでいます。
健康経営についてご紹介します。