【看護師の働き方に関する意識調査】全国約1.8万人の看護職が採用と定着をテーマに回答。67%が安定的に働く意欲。定着の鍵は病院の方針やマネジメントの在り方〜患者や同僚との関係に満足しつつも、人員配置や指導方法のバラつきに悩んでいる実態〜
2022年2月3日
株式会社エス・エム・エス(本社:東京都港区、代表取締役社長:後藤夏樹、東証一部、以下「当社」)は、看護師向け人材紹介「ナース人材バンク」(https://www.nursejinzaibank.com/)や、看護師・看護学生向けコミュニティ「ナース専科」(https://nurse-senka.jp/) を提供しており、この度、全国の看護師18,130人に「看護師の働き方に関する意識調査」を実施しました。
「満足」が11.8%、「まあ満足」が49.2%、「やや不満」が27.3%、「不満」が11.7%。半数以上が満足している。
2.現職で最も満足を感じている点トップは「患者との関係(81.6%)」、「同僚との関係(81.6%)」、不満足は「適切な人員配置(67.7%)」
満足を感じる点としては「休日・休暇の希望考慮(74.5%)」、「やりがい(66.7%)」、「配属先の希望考慮(65.6%)」が続く。
一方、不満を感じる点は「適切な人員配置(67.7%)」、「指導方法のバラつき(64.9%)」、「管理職のマネジメント(62.9%)」、「企業・施設の方針(61.4%)」、「各種手当の充実(60.8%)」となっており、看護師として働くことや人間関係への満足度は高いものの、組織のマネジメントや方針について不満を感じていることがうかがえる。
3.職場選びの重要ポイントは、「勤務時間・体制」が58.3%
「職場へのアクセス」が54.5%、「給与」が43.3%と続いており、具体的な条件面などを重視して職場選びをしている実態がうかがえる。
4.前職の退職理由は、「人間関係への不満」が最多(31.0%)
次いで、「仕事内容への不満」が24.8%、「管理職のマネジメントへの不満」が20.3%。退職の理由に関しては、条件面など職場選びの重要ポイントとは異なる点が不満の要素となっている。
5.今後のキャリア志向は「長く安定的に働きたい」が67.5%
続いて「明確な意向・希望は無い」が24.2%、「他の医療機関での勤務経験も積みたい」が14.3%。結婚後も仕事を「続ける(93.8%)」となっており、安定を求めていることがうかがえる。出産後については、「子供ができても仕事を続ける(73.0%)」が圧倒的で、次いで「子供ができたら一旦退職して、子供が大きくなったら復職する」が21.1%、「子供ができたら退職する」が5.9%と、仕事と子育ての両立派が大多数となった。
6.退職を取りやめるに至った理由の上位は「人間関係が改善された」が41.9%
退職を取りやめるに至った退職理由の改善内容については「人間関係が改善された」が41.9%、「勤務時間や休日などの労働条件が改善された」が36.1%、「異動ができてやりたい仕事ができる環境になった」が24.5%だった。人間関係の改善は退職抑制の大きなポイントになると考えられる。
7.コロナ禍における仕事の変化については、勤務時間は「変わらない」が69.4%
他の項目では、勤務内容は「変わった」が51.5%、給与は「変わらない」が73.8%。また、コロナ禍における仕事の変化で転職をしようと思ったことがあるか、については「ある」が30.8%、「ない」が69.2%となった。
8.コロナ禍での気持ちの変化については「もっと評価されるべき仕事であると感じた」が55.5%
次いで「看護師として働いていくことに不安を感じた」が23.7%、「看護師として勤務してくことに、より誇りが持てるようなった」が19.3%。ネガティブな意見はあるものの、コロナ禍でより誇りを持てるようになった人もいることがわかった。
9.在宅医療に欠かせない訪問看護ステーションでの勤務に関心がある人は全体の39.8%
関心の内容は「在宅医療に社会的な意義を感じるため」が49.0%、「利用者(患者)さんとじっくり向き合えるケアがしたいため」が46.5%、「夜勤がないなど、病院よりも公私のバランスをとりやすいため」が39.0%。訪問看護ステーションで働くことに対し一定の意義を感じている様子がうかがえる。
10.転職後の希望の働き方の上位は「常勤(日勤のみ)」が57.0%
転職後の働き方の希望は「常勤(日勤のみ)」が57.0%、「常勤(夜勤あり)」が33.5%、「非常勤」が26.3%となった。
【新型コロナでの変化に対するコメント抜粋】
①働き方、業務内容に関するコメント
・コロナ禍で他の病院が救急車の受け入れ件数が減少したことにより、当院への救急搬送が増えとても忙しくなって、ライフワークバランスが崩れた。(20代女性/兵庫県)
・制限が多かったため、(県外は禁止、休憩室での会話禁止、会食禁止など)ストレス発散する場所がなく気持ちが落ち込んでしまった。(20代女性/愛媛県)
・今までも患者さんの為に頑張ってきたが、コロナ禍ではその役割にかなり責任を感じる(感染予防)。特に産科で働いているので、新生児に影響があったり、妊婦さんが感染すると帝王切開になったりと人生に影響があると思うと怖くなる。(40代女性/岐阜県)
・面会制限の目的を理解できない患者家族に怒鳴られて恐怖を感じた。看取り時も人数制限をしなければならず、心苦しかった。(40代女性/兵庫県)
・N95、不織布マスク、手術着のマスクを着用しての手術が大変だった。(20代女性/兵庫県)
・ワクチン接種業務に携わっていて、充填や観察、接種をしていて病棟に比べたら、なんてことない仕事内容なのに感謝されることがあったので、今、働けることに喜びと感謝の気持ちでいっぱいになりました。できることならば、細々と仕事したいなぁーって思いました。(30代女性/三重県)
②やりがいに関するコメント
・コロナ禍で病気を持っていたり病気にかかることは特に不安が多くなると思う。そこに寄り添えるのは看護師の仕事だけだと思うため。(20代女性/東京都)
・第一線で自分のできることをしたいと強く思った。(40代女性/大阪府)
・看護師の必要性を改めて理解し今後も頑張ろうと思えた。(20代女性/神奈川県)
・危険な仕事でも、誰かがやらなければいけないことがある。恐怖心もあるが、逃げないようにしたいと思っている。(40代女性/神奈川県)
・看護師であることを言いにくくなった。コロナが流行ってる時に楽しそうにワイワイしている人々を見るとイライラするようになってしまっていた。(30代女性/沖縄県)
③金銭や評価に関するコメント
・コロナ病床ではないですが、子供が居るので家庭に持ち込まないよう感染対策を以前よりしっかり取るようになりました。業務は増えているのにボーナスが無くなったりとモチベーションを保つのが大変です。(30代女性/和歌山県)
・一番大変な病棟勤務の看護師の処遇が悪いと感じた。(30代女性/東京都)
・こんなに危険と隣り合わせなのになぜ頑張りが給料に反映されないのだろうか。(20代女性/神奈川県)
・第一線で働いている看護師さん達をもっと大切にしてほしいし、こんな状況の中看護師を目指す学生さん達にも国や自治体が援助してほしいと感じました。(40代女性/石川県)
一方、不満を感じている項目としては「適切な人員配置」「指導方法のバラつき」「管理職のマネジメント」が高く、前職の退職理由においても、「人間関係への不満(31.0%)」が最多、次いで「仕事内容への不満(24.8%)」、「管理職のマネジメントへの不満(20.3%)という結果でした。
また、新型コロナにおける影響において、コロナ禍における仕事の変化で転職をしようと思ったことがあるか質問したところ、「ある」は30.8%にとどまるも、看護師として働くことに対する気持ちの変化としては、「もっと評価されるべき仕事であると感じた(55.5%)」、「看護師として働いていくことに不安を感じた(23.7%)」が上位となりました。また、「看護師として勤務していくことに、より誇りが持てるようなった」が19.3%と、厳しい環境の中でも使命感を持って勤務している看護師が多いことがわかります。
なお、在宅医療に欠かせない訪問看護ステーションについて、就業先として関心がある人は39.8%という結果でした。在宅医療への社会的意義を感じ、患者に向き合うケア、夜勤がない働き方などへ興味関心を抱いている様子がうかがえました。
コロナ禍において改めて看護師としての仕事のやりがいや存在意義を再確認する人々も多く、また安定的に働きたいとする意欲的な層が多数でした。一方で、看護師として働くことに不安を感じたり、人員配置への不満などもあり、「病院の方針やマネジメントの在り方」が、今後の看護師定着への鍵となることがうかがえました。
Q.(現在勤務している方への調査)現在の就業先に対する満足度で最も近いものをお選びください。(n=15,367)
「満足」が11.8%、「まあ満足」が49.2%、「やや不満」が27.3%、「不満」が11.7%。半数以上が満足している。
2.現職で最も満足を感じている点トップは「患者との関係(81.6%)」、「同僚との関係(81.6%)」、不満足は「適切な人員配置(67.7%)」
Q.現職における以下の項目について「満足」「不満足」で教えてください。(n=15,367)
満足を感じる点は、「患者との関係(81.6%)」、「同僚との関係(81.6%)」、「休日・休暇の希望考慮(74.5%)」、「やりがい(66.7%)」、「配属先の希望考慮(65.6%)」。
一方、不満を感じる点は「適切な人員配置(67.7%)」、「指導方法のバラつき(64.9%)」、「管理職のマネジメント(62.9%)」、「企業・施設の方針(61.4%)」、「各種手当の充実(60.8%)」となっており、看護師として働くことや人間関係への満足度は高いものの、組織のマネジメントや方針について不満を感じていることがうかがえる。 配属先や休日休暇の希望は考慮されていると感じており、制度ではなく、コミュニケーションに課題があると推測される。
3.職場選びの重要ポイントは、「勤務時間・体制」が58.3%
Q.現職を選んだ時に重視したポイントについて、当てはまるものを全て選んでください。(n=15,367)
「勤務時間・体制」が58.3%、「職場へのアクセス」が54.5%、「給与」が43.3%となっており、職場選びの際には具体的な条件面などを重視していることがわかる。
4.前職の退職理由は、「人間関係への不満」が最多(31.0%)
Q.前職の退職理由について、当てはまるものをすべて選択してください。(n=14,487)
「人間関係への不満」が31.0%、「仕事内容への不満」が24.8%、「管理職のマネジメントへの不満」が20.3%。退職の理由に関しては、職場選びの重要ポイントではなかった点が不満の要素となっている。
職場に関する不満足な項目としては「企業・施設の方針(61.4%)」が上位であったものの(Q2参照)、退職の理由としては「勤務先の方針に共感できない」は14.7%とそこまで高い数値ではなかったことから、方針への共感は、不満には感じているものの、退職の理由にはあまりならないことがわかる。
5.今後のキャリア志向は「長く安定的に働きたい」が67.5%
Q.今後のキャリアの志向について教えてください。(n=18,130)
「長く安定的に働きたい」が67.5%、「明確な意向・希望は無い」が24.2%、「他の医療機関での勤務経験も積みたい」が14.3%。
Q.結婚後も仕事を続けますか。(n=7,710)
「続ける」が93.8%、「続けない」が6.2%。
Q.今後お子様が生まれたら、どのように仕事をしたいですか。(n=18,130)
「子供ができても仕事を続ける」が73.0%、「子供ができたら一旦退職して、子供が大きくなったら復職する」が21.1%、「子供ができたら退職する」が5.9%。働き続けたいという意思を感じる内容となった。
6.退職を取りやめるに至った理由の上位は「人間関係が改善された」が41.9%
Q.(転職活動を開始して、取りやめた経験がある人への調査)(退職理由が)改善された内容について、当てはまるものをすべて選んでください。(n=449)
退職を取りやめるに至った退職理由の改善内容については「人間関係が改善された」が41.9%、「勤務時間や休日などの労働条件が改善された」が36.1%、「異動ができてやりたい仕事ができる環境になった」が24.5%だった。人間関係の改善は退職抑制の大きなポイントになると考えられる。
7.コロナ禍における仕事の変化については、勤務時間は「変わらない」が69.4%
Q.コロナ禍における仕事の変化について、当てはまるものすべて選択してください。(n=18,130)
コロナ禍で勤務時間は「増えた」が25.3%、「変わらない」が69.4%、「減った」が5.3%。
コロナ禍で勤務内容は「変わった」が51.5%、「変わらない」が48.5%。
コロナ禍で給料は「増えた」が11.0%、「変わらない」が73.8%、「減った」が15.2%。
Q.コロナ禍における仕事の変化で、転職をしようと思ったことはありますか。(n=18,130)
「ある」が30.8%、「ない」が69.2%。勤務内容には変化があったものの、転職をしようという意識にはあまりならなかったと推測される。
8.コロナ禍での気持ちの変化については「もっと評価されるべき仕事であると感じた」が55.5%
Q.コロナ禍で、看護師として働くことに対するお気持ちの変化はありましたか。(n=18,130)
「もっと評価されるべき仕事であると感じた」が55.5%、「看護師として働いていくことに不安を感じた」が23.7%、「看護師として勤務してくことに、より誇りが持てるようなった」が19.3%。ネガティブな意見は多いものの、コロナ禍でより誇りを持てるようになった層もいることがわかった。
9.在宅医療に欠かせない訪問看護ステーションでの勤務に関心がある人は全体の39.8%
Q.訪問看護ステーションに対する関心について最も近いものをお選びください。(n=7,230)
「在宅医療に社会的な意義を感じるため」が49.0%、「利用者(患者)さんとじっくり向き合えるケアがしたいため」が46.5%、「夜勤がないなど、病院よりも公私のバランスをとりやすいため」が39.0%。在宅医療に社会的意義を感じ、患者に向き合うケア、夜勤のない働き方などに興味関心を抱いていることがうかがえる。
10.転職後の希望の働き方の上位は「常勤(日勤のみ)」が57.0%
Q.(現在、就職・転職を希望している人への調査)転職したら、どのような働き方をしたいですか。当てはまるものをすべて選択してください。(n=11,610)
転職後の働き方の希望は「常勤(日勤のみ)」が57.0%、「常勤(夜勤あり)」が33.5%、「非常勤」が26.3%。3人に1人は夜勤ありを求める結果ではあるが、日勤のみを求める声は大きい。
・調査対象:「ナース人材バンク」、「ナース専科」を利用している看護師職
・回答総数:18,130名
・調査方法:Webを使用したアンケート
※調査の詳細に関しては別途資料がありますので、お問い合わせください。
URL:https://www.nursejinzaibank.com/
URL:https://nurse-senka.jp/
電話:03-6721-2404 mail : smsinfo@bm-sms.co.jp
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【主な調査結果】
1.職場に満足を感じている看護師は6割超(61.0%)「満足」が11.8%、「まあ満足」が49.2%、「やや不満」が27.3%、「不満」が11.7%。半数以上が満足している。
2.現職で最も満足を感じている点トップは「患者との関係(81.6%)」、「同僚との関係(81.6%)」、不満足は「適切な人員配置(67.7%)」
満足を感じる点としては「休日・休暇の希望考慮(74.5%)」、「やりがい(66.7%)」、「配属先の希望考慮(65.6%)」が続く。
一方、不満を感じる点は「適切な人員配置(67.7%)」、「指導方法のバラつき(64.9%)」、「管理職のマネジメント(62.9%)」、「企業・施設の方針(61.4%)」、「各種手当の充実(60.8%)」となっており、看護師として働くことや人間関係への満足度は高いものの、組織のマネジメントや方針について不満を感じていることがうかがえる。
3.職場選びの重要ポイントは、「勤務時間・体制」が58.3%
「職場へのアクセス」が54.5%、「給与」が43.3%と続いており、具体的な条件面などを重視して職場選びをしている実態がうかがえる。
4.前職の退職理由は、「人間関係への不満」が最多(31.0%)
次いで、「仕事内容への不満」が24.8%、「管理職のマネジメントへの不満」が20.3%。退職の理由に関しては、条件面など職場選びの重要ポイントとは異なる点が不満の要素となっている。
5.今後のキャリア志向は「長く安定的に働きたい」が67.5%
続いて「明確な意向・希望は無い」が24.2%、「他の医療機関での勤務経験も積みたい」が14.3%。結婚後も仕事を「続ける(93.8%)」となっており、安定を求めていることがうかがえる。出産後については、「子供ができても仕事を続ける(73.0%)」が圧倒的で、次いで「子供ができたら一旦退職して、子供が大きくなったら復職する」が21.1%、「子供ができたら退職する」が5.9%と、仕事と子育ての両立派が大多数となった。
6.退職を取りやめるに至った理由の上位は「人間関係が改善された」が41.9%
退職を取りやめるに至った退職理由の改善内容については「人間関係が改善された」が41.9%、「勤務時間や休日などの労働条件が改善された」が36.1%、「異動ができてやりたい仕事ができる環境になった」が24.5%だった。人間関係の改善は退職抑制の大きなポイントになると考えられる。
7.コロナ禍における仕事の変化については、勤務時間は「変わらない」が69.4%
他の項目では、勤務内容は「変わった」が51.5%、給与は「変わらない」が73.8%。また、コロナ禍における仕事の変化で転職をしようと思ったことがあるか、については「ある」が30.8%、「ない」が69.2%となった。
8.コロナ禍での気持ちの変化については「もっと評価されるべき仕事であると感じた」が55.5%
次いで「看護師として働いていくことに不安を感じた」が23.7%、「看護師として勤務してくことに、より誇りが持てるようなった」が19.3%。ネガティブな意見はあるものの、コロナ禍でより誇りを持てるようになった人もいることがわかった。
9.在宅医療に欠かせない訪問看護ステーションでの勤務に関心がある人は全体の39.8%
関心の内容は「在宅医療に社会的な意義を感じるため」が49.0%、「利用者(患者)さんとじっくり向き合えるケアがしたいため」が46.5%、「夜勤がないなど、病院よりも公私のバランスをとりやすいため」が39.0%。訪問看護ステーションで働くことに対し一定の意義を感じている様子がうかがえる。
10.転職後の希望の働き方の上位は「常勤(日勤のみ)」が57.0%
転職後の働き方の希望は「常勤(日勤のみ)」が57.0%、「常勤(夜勤あり)」が33.5%、「非常勤」が26.3%となった。
【新型コロナでの変化に対するコメント抜粋】
①働き方、業務内容に関するコメント
・コロナ禍で他の病院が救急車の受け入れ件数が減少したことにより、当院への救急搬送が増えとても忙しくなって、ライフワークバランスが崩れた。(20代女性/兵庫県)
・制限が多かったため、(県外は禁止、休憩室での会話禁止、会食禁止など)ストレス発散する場所がなく気持ちが落ち込んでしまった。(20代女性/愛媛県)
・今までも患者さんの為に頑張ってきたが、コロナ禍ではその役割にかなり責任を感じる(感染予防)。特に産科で働いているので、新生児に影響があったり、妊婦さんが感染すると帝王切開になったりと人生に影響があると思うと怖くなる。(40代女性/岐阜県)
・面会制限の目的を理解できない患者家族に怒鳴られて恐怖を感じた。看取り時も人数制限をしなければならず、心苦しかった。(40代女性/兵庫県)
・N95、不織布マスク、手術着のマスクを着用しての手術が大変だった。(20代女性/兵庫県)
・ワクチン接種業務に携わっていて、充填や観察、接種をしていて病棟に比べたら、なんてことない仕事内容なのに感謝されることがあったので、今、働けることに喜びと感謝の気持ちでいっぱいになりました。できることならば、細々と仕事したいなぁーって思いました。(30代女性/三重県)
②やりがいに関するコメント
・コロナ禍で病気を持っていたり病気にかかることは特に不安が多くなると思う。そこに寄り添えるのは看護師の仕事だけだと思うため。(20代女性/東京都)
・第一線で自分のできることをしたいと強く思った。(40代女性/大阪府)
・看護師の必要性を改めて理解し今後も頑張ろうと思えた。(20代女性/神奈川県)
・危険な仕事でも、誰かがやらなければいけないことがある。恐怖心もあるが、逃げないようにしたいと思っている。(40代女性/神奈川県)
・看護師であることを言いにくくなった。コロナが流行ってる時に楽しそうにワイワイしている人々を見るとイライラするようになってしまっていた。(30代女性/沖縄県)
③金銭や評価に関するコメント
・コロナ病床ではないですが、子供が居るので家庭に持ち込まないよう感染対策を以前よりしっかり取るようになりました。業務は増えているのにボーナスが無くなったりとモチベーションを保つのが大変です。(30代女性/和歌山県)
・一番大変な病棟勤務の看護師の処遇が悪いと感じた。(30代女性/東京都)
・こんなに危険と隣り合わせなのになぜ頑張りが給料に反映されないのだろうか。(20代女性/神奈川県)
・第一線で働いている看護師さん達をもっと大切にしてほしいし、こんな状況の中看護師を目指す学生さん達にも国や自治体が援助してほしいと感じました。(40代女性/石川県)
【総括】
調査の結果、新型コロナウイルスの感染拡大という環境変化がある中で、現在の就業先に対しては、半数以上(61.0%)が満足しているという結果となりました。満足を感じているものは、「患者との関係」「同僚との関係」「やりがい」「希望考慮(休日、配属先)」が上位に挙がっており、また、今後のキャリアについても「長く安定的に働きたい」が67.5%で、結婚後や子供が生まれた場合においても結婚後も仕事を「続ける」が93.8%、「子供ができても仕事を続ける」が73.0%となっており、安定を求めていることがうかがえました。一方、不満を感じている項目としては「適切な人員配置」「指導方法のバラつき」「管理職のマネジメント」が高く、前職の退職理由においても、「人間関係への不満(31.0%)」が最多、次いで「仕事内容への不満(24.8%)」、「管理職のマネジメントへの不満(20.3%)という結果でした。
また、新型コロナにおける影響において、コロナ禍における仕事の変化で転職をしようと思ったことがあるか質問したところ、「ある」は30.8%にとどまるも、看護師として働くことに対する気持ちの変化としては、「もっと評価されるべき仕事であると感じた(55.5%)」、「看護師として働いていくことに不安を感じた(23.7%)」が上位となりました。また、「看護師として勤務していくことに、より誇りが持てるようなった」が19.3%と、厳しい環境の中でも使命感を持って勤務している看護師が多いことがわかります。
なお、在宅医療に欠かせない訪問看護ステーションについて、就業先として関心がある人は39.8%という結果でした。在宅医療への社会的意義を感じ、患者に向き合うケア、夜勤がない働き方などへ興味関心を抱いている様子がうかがえました。
コロナ禍において改めて看護師としての仕事のやりがいや存在意義を再確認する人々も多く、また安定的に働きたいとする意欲的な層が多数でした。一方で、看護師として働くことに不安を感じたり、人員配置への不満などもあり、「病院の方針やマネジメントの在り方」が、今後の看護師定着への鍵となることがうかがえました。
【調査結果詳細】
1.職場に満足を感じている看護師は6割超(61.0%)Q.(現在勤務している方への調査)現在の就業先に対する満足度で最も近いものをお選びください。(n=15,367)
「満足」が11.8%、「まあ満足」が49.2%、「やや不満」が27.3%、「不満」が11.7%。半数以上が満足している。
2.現職で最も満足を感じている点トップは「患者との関係(81.6%)」、「同僚との関係(81.6%)」、不満足は「適切な人員配置(67.7%)」
Q.現職における以下の項目について「満足」「不満足」で教えてください。(n=15,367)
満足を感じる点は、「患者との関係(81.6%)」、「同僚との関係(81.6%)」、「休日・休暇の希望考慮(74.5%)」、「やりがい(66.7%)」、「配属先の希望考慮(65.6%)」。
一方、不満を感じる点は「適切な人員配置(67.7%)」、「指導方法のバラつき(64.9%)」、「管理職のマネジメント(62.9%)」、「企業・施設の方針(61.4%)」、「各種手当の充実(60.8%)」となっており、看護師として働くことや人間関係への満足度は高いものの、組織のマネジメントや方針について不満を感じていることがうかがえる。 配属先や休日休暇の希望は考慮されていると感じており、制度ではなく、コミュニケーションに課題があると推測される。
3.職場選びの重要ポイントは、「勤務時間・体制」が58.3%
Q.現職を選んだ時に重視したポイントについて、当てはまるものを全て選んでください。(n=15,367)
「勤務時間・体制」が58.3%、「職場へのアクセス」が54.5%、「給与」が43.3%となっており、職場選びの際には具体的な条件面などを重視していることがわかる。
4.前職の退職理由は、「人間関係への不満」が最多(31.0%)
Q.前職の退職理由について、当てはまるものをすべて選択してください。(n=14,487)
「人間関係への不満」が31.0%、「仕事内容への不満」が24.8%、「管理職のマネジメントへの不満」が20.3%。退職の理由に関しては、職場選びの重要ポイントではなかった点が不満の要素となっている。
職場に関する不満足な項目としては「企業・施設の方針(61.4%)」が上位であったものの(Q2参照)、退職の理由としては「勤務先の方針に共感できない」は14.7%とそこまで高い数値ではなかったことから、方針への共感は、不満には感じているものの、退職の理由にはあまりならないことがわかる。
5.今後のキャリア志向は「長く安定的に働きたい」が67.5%
Q.今後のキャリアの志向について教えてください。(n=18,130)
「長く安定的に働きたい」が67.5%、「明確な意向・希望は無い」が24.2%、「他の医療機関での勤務経験も積みたい」が14.3%。
Q.結婚後も仕事を続けますか。(n=7,710)
「続ける」が93.8%、「続けない」が6.2%。
Q.今後お子様が生まれたら、どのように仕事をしたいですか。(n=18,130)
「子供ができても仕事を続ける」が73.0%、「子供ができたら一旦退職して、子供が大きくなったら復職する」が21.1%、「子供ができたら退職する」が5.9%。働き続けたいという意思を感じる内容となった。
6.退職を取りやめるに至った理由の上位は「人間関係が改善された」が41.9%
Q.(転職活動を開始して、取りやめた経験がある人への調査)(退職理由が)改善された内容について、当てはまるものをすべて選んでください。(n=449)
退職を取りやめるに至った退職理由の改善内容については「人間関係が改善された」が41.9%、「勤務時間や休日などの労働条件が改善された」が36.1%、「異動ができてやりたい仕事ができる環境になった」が24.5%だった。人間関係の改善は退職抑制の大きなポイントになると考えられる。
7.コロナ禍における仕事の変化については、勤務時間は「変わらない」が69.4%
Q.コロナ禍における仕事の変化について、当てはまるものすべて選択してください。(n=18,130)
コロナ禍で勤務時間は「増えた」が25.3%、「変わらない」が69.4%、「減った」が5.3%。
コロナ禍で勤務内容は「変わった」が51.5%、「変わらない」が48.5%。
コロナ禍で給料は「増えた」が11.0%、「変わらない」が73.8%、「減った」が15.2%。
Q.コロナ禍における仕事の変化で、転職をしようと思ったことはありますか。(n=18,130)
「ある」が30.8%、「ない」が69.2%。勤務内容には変化があったものの、転職をしようという意識にはあまりならなかったと推測される。
8.コロナ禍での気持ちの変化については「もっと評価されるべき仕事であると感じた」が55.5%
Q.コロナ禍で、看護師として働くことに対するお気持ちの変化はありましたか。(n=18,130)
「もっと評価されるべき仕事であると感じた」が55.5%、「看護師として働いていくことに不安を感じた」が23.7%、「看護師として勤務してくことに、より誇りが持てるようなった」が19.3%。ネガティブな意見は多いものの、コロナ禍でより誇りを持てるようになった層もいることがわかった。
9.在宅医療に欠かせない訪問看護ステーションでの勤務に関心がある人は全体の39.8%
Q.訪問看護ステーションに対する関心について最も近いものをお選びください。(n=7,230)
「在宅医療に社会的な意義を感じるため」が49.0%、「利用者(患者)さんとじっくり向き合えるケアがしたいため」が46.5%、「夜勤がないなど、病院よりも公私のバランスをとりやすいため」が39.0%。在宅医療に社会的意義を感じ、患者に向き合うケア、夜勤のない働き方などに興味関心を抱いていることがうかがえる。
10.転職後の希望の働き方の上位は「常勤(日勤のみ)」が57.0%
Q.(現在、就職・転職を希望している人への調査)転職したら、どのような働き方をしたいですか。当てはまるものをすべて選択してください。(n=11,610)
転職後の働き方の希望は「常勤(日勤のみ)」が57.0%、「常勤(夜勤あり)」が33.5%、「非常勤」が26.3%。3人に1人は夜勤ありを求める結果ではあるが、日勤のみを求める声は大きい。
【調査概要】「看護師の働き方に関する意識調査」
・実施期間:2021年11月26日(金)~2021年12月15日(水)・調査対象:「ナース人材バンク」、「ナース専科」を利用している看護師職
・回答総数:18,130名
・調査方法:Webを使用したアンケート
※調査の詳細に関しては別途資料がありますので、お問い合わせください。
【「ナース人材バンク」について】
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