ケアマネ就業先のICT・介護ロボット導入は2割、高額な導入費用などの課題も~【ケアマネドットコム調べ】「ケアマネ就業先におけるICT・介護ロボット活用実態調査」~
2017年12月8日
株式会社エス・エム・エス(代表取締役社長:後藤夏樹、東証一部、以下「当社」)は、当社が運営するケアマネジャー(以下「ケアマネ」)向けコミュニティサイト「ケアマネドットコム」にて、「ケアマネ就業先におけるICT・介護ロボット活用実態調査」を実施しました。
国は昨年閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」において、「介護サービスや介護保険事務処理について、介護ロボット・ICT等の次世代型介護技術の活用により、介護サービスの生産性向上を推進」するとしています。介護業界における生産性向上は介護人材不足の解消の一つとしても期待されており、来年実施される医療・介護報酬同時改定に向け、社会保障審議会介護給付費分科会などでも議論がなされているところです。
今回は、ケアプラン作成などの書類業務やサービス事業所との連絡・調整を行うことが多いケアマネに対し、就業先におけるICT・介護ロボットの導入実態について調査し、618名から回答をいただきましたのでご報告します。
ケアマネ就業先におけるICT・介護ロボットの導入率は全体の2割にとどまったものの、すでに導入しているケアマネの半数以上は導入後の効果に「満足している」と回答しており、一部ではすでに業務の効率化・残業時間削減が実現していることも明らかとなりました。一方で、ICT・介護ロボット導入の必要性について、「わからない」「あれば便利だがなくても構わない」と答えたケアマネも多く、生産性向上や多職種との情報連携などが求められる中、ICT・介護ロボット導入のアウトカム実証など、現場への理解促進が課題である可能性が浮き彫りとなりました。
当社の介護事業は、介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」*1や、介護職向け求人・転職情報サイト「カイゴジョブ」*2などの提供を通じ、介護業界の課題解消に貢献し、日本の介護を元気にすることを目指しています。
Q.「導入していない」と答えた方にお聞きします。その理由に当てはまるものをすべて選択してください。(複数回答)
Q.「導入している」と答えた方にお聞きします。導入しているICT・介護ロボットをすべて選択してください。(複数回答)
Q.「導入している」と答えた方にお聞きします。導入した時期を教えてください。
Q.「満足している」と答えた方にお聞きします。得られたと思う効果をすべて選択してください。(複数回答)
Q.「満足していない」と答えた方にお聞きします。その理由に当てはまるものをすべて選択してください。(複数回答)
■「あれば便利だと思うがなくても構わない」を選んだ理由(自由回答を一部抜粋)
・必要はあると思うが、メリットが説明も受けていないのでわからないし、魅力を感じていない
・使いこなせば便利だと思うが、費用や準備などにしり込みする
・便利になる反面、情報の流出等の不安も増えると考えられるため
■「必要だと思う」を選んだ理由
・タイムリーに連携がとれる。書類の簡素化をはかれることを期待
・介護記録処理の時間が少なくなれば利用者訪問回数が増やせる
・業務の効率や利用者の支援をより良いものにするために役に立っている
■「必要ない」を選んだ理由
・メンテナンスや使い方を教えたり、身体の負担軽減は見込めるが結局のところ効率化を図れないと思う
・必要性がわからない
・信頼性がない
※都市=東京、神奈川、大阪、愛知
■ICT・介護ロボット導入の必要性に関する考え方について、年齢別で比較した
・データ入力が時間内に終わらない。ICT化により時間を効率的に使えるようになるので、デスクワークでのストレスがなくなり、とても有用と考えます。(男性、40代、沖縄県、居宅勤務)
・今後増々進む人材不足のなか生産性の向上のためには必須だが、皆がそれに対して同じ方向に向かうことが必要(女性、50代、島根県、地域包括支援センター勤務)
・導入に対するコストと使いこなすまでの人材教育の時間が課題だと思う(男性、30代、千葉県、介護老人保健施設勤務)
・ICTに弱い人が多く、タブレットごときでも導入できていない。(女性、60代、東京都、居宅勤務)
・絶対必要。今は導入コストや時間が手間と考えられるが、国が強制力や実施した事業所に補助金を付けても行うべき。(男性、40代、奈良県、居宅勤務)
・アセスメントやケアプラン作成に時間をかけると、定時退社は絶対出来ないです。効率よく、残業せずに仕事が出来る何かがあるといいと思います。いつまでも仕事は終わらないですし、持ち帰って仕事をされているケアマネが殆どです。(女性、50代、栃木県、居宅勤務)
・まだまだ普及がすすんでいないと感じる。高価なことが一番の原因では?実際に使っているところの事例(いい例も悪い例も)がたくさん見られれば、もっと活用意欲が出るかもしれない。(女性、40代、石川県、グループホーム勤務)
・介護ロボット、ICT化は開発の途についたところであり、未だ使い勝手も十分ではなくコストも高く便利なものと実感ができていない。業務の効率化、コスト削減を図れるよう今後の進化、進展を期待している。(女性、40代、東京都、居宅勤務)
・介護の近代化のためにも、現場の声を汲み上げながら、現場にマッチしたものを導入していけると良い。(女性、50代、青森県、特別養護老人ホーム勤務)
・今後ICT化になることで情報の透明性、時間の節約、連携など効率的になると思う。例えば、施設(ショート)デイ等の情報をタブレットなどで映像付きで説明すると利用者、家族の選択がしやすくなるメリットがある。今はパンフレット位しか資料として提供できないため漠然としたものがある。担当者会議等も現場に集合しなくてもビデオで意見交換も可能となり、移動などでかかる時間的コストが減る。全ての事業所がICT化の環境になればいずれ実現できると期待する。(女性、50代、東京都、居宅勤務)
<注釈>
http://ads.kaipoke.biz/
https://www.kaigojob.com
https://www.care-mane.com/
電話:03-6777-1203 E-mail : kaigoprinfo@bm-sms.co.jp
国は昨年閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」において、「介護サービスや介護保険事務処理について、介護ロボット・ICT等の次世代型介護技術の活用により、介護サービスの生産性向上を推進」するとしています。介護業界における生産性向上は介護人材不足の解消の一つとしても期待されており、来年実施される医療・介護報酬同時改定に向け、社会保障審議会介護給付費分科会などでも議論がなされているところです。
今回は、ケアプラン作成などの書類業務やサービス事業所との連絡・調整を行うことが多いケアマネに対し、就業先におけるICT・介護ロボットの導入実態について調査し、618名から回答をいただきましたのでご報告します。
【調査サマリー】
- ケアマネ就業先におけるICT・介護ロボットの導入、「導入していない」(79.0%)が「導入している」(21.0%)を大きく上回る
・導入していない理由は「導入経費が高額だから」が半数を超えて最多、次いで「導入効果がわからないから」、「導入までの準備や手続きが大変そうだから」の順に多い
・導入しているケアマネのうち、最も導入率が高かったのは「介護記録支援システム(タブレット導入有り)」。次いで「コミュニケーション情報共有システム」、「介護記録支援システム(タブレット導入無し)」
・導入しているケアマネのうち、6割以上が「3年以内」に導入している - 導入後、効果に「満足している」(57.2%)が「満足していない」(9.5%)を上回る
・導入後の効果に満足しているケアマネのうち、得られた効果は「現場の業務効率化、残業時間削減」が最多。次いで「従業員の業務負荷、心理的負担の軽減」、「ペーパーレスによる書類の保管場所の削減」
・導入したが満足していないケアマネのうち、理由は「使いにくい、使いこなすのが難しい」が最多。次いで「職員が使い方を覚えたり業務に浸透させる時間がない」、「他システムやソフトとの連携ができない」・「維持費用が高額」 - ICT・介護ロボット導入の必要性、「わからない」「あれば便利だがなくても構わない」「必要だと思う」が拮抗
- ICT・介護ロボットの導入率や必要性について都市別、年齢別で比較したところ、変化は見られなかった
- 介護業界全体のICT・介護ロボット導入が進むために必要な条件は「操作がわかりやすく簡単なこと」が最多。次いで「セキュリティが強固なこと」、「初期導入経費に対する支援」
当社の介護事業は、介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」*1や、介護職向け求人・転職情報サイト「カイゴジョブ」*2などの提供を通じ、介護業界の課題解消に貢献し、日本の介護を元気にすることを目指しています。
- ケアマネ就業先におけるICT・介護ロボットの導入、「導入していない」(79.0%)が「導入している」(21.0%)を大きく上回る
・導入していない理由は「導入経費が高額だから」が半数を超えて最多、次いで「導入効果がわからないから」、「導入までの準備や手続きが大変そうだから」の順に多い
・導入しているケアマネのうち、最も導入率が高かったのは「介護記録支援システム(タブレット導入有り)」。次いで「コミュニケーション情報共有システム」、「介護記録支援システム(タブレット導入無し)」
・導入しているケアマネのうち、6割以上が「3年以内」に導入している
Q.「導入していない」と答えた方にお聞きします。その理由に当てはまるものをすべて選択してください。(複数回答)
Q.「導入している」と答えた方にお聞きします。導入しているICT・介護ロボットをすべて選択してください。(複数回答)
Q.「導入している」と答えた方にお聞きします。導入した時期を教えてください。
- 導入後、効果に「満足している」(57.2%)が「満足していない」(9.5%)を上回る
・導入後の効果に満足しているケアマネのうち、得られた効果は「現場の業務効率化、残業時間削減」が最多。次いで「従業員の業務負荷、心理的負担の軽減」、「ペーパーレスによる書類の保管場所の削減」
・導入したが満足していないケアマネのうち、理由は「使いにくい、使いこなすのが難しい」が最多。次いで「職員が使い方を覚えたり業務に浸透させる時間がない」、「他システムやソフトとの連携ができない」・「維持費用が高額」
Q.「満足している」と答えた方にお聞きします。得られたと思う効果をすべて選択してください。(複数回答)
Q.「満足していない」と答えた方にお聞きします。その理由に当てはまるものをすべて選択してください。(複数回答)
- ICT・介護ロボット導入の必要性、「わからない」「あれば便利だがなくても構わない」「必要だと思う」が拮抗。「必要ない」はごく少数
■「あれば便利だと思うがなくても構わない」を選んだ理由(自由回答を一部抜粋)
・必要はあると思うが、メリットが説明も受けていないのでわからないし、魅力を感じていない
・使いこなせば便利だと思うが、費用や準備などにしり込みする
・便利になる反面、情報の流出等の不安も増えると考えられるため
■「必要だと思う」を選んだ理由
・タイムリーに連携がとれる。書類の簡素化をはかれることを期待
・介護記録処理の時間が少なくなれば利用者訪問回数が増やせる
・業務の効率や利用者の支援をより良いものにするために役に立っている
■「必要ない」を選んだ理由
・メンテナンスや使い方を教えたり、身体の負担軽減は見込めるが結局のところ効率化を図れないと思う
・必要性がわからない
・信頼性がない
- ICT・介護ロボットの導入率や必要性について都市別、年齢別で比較したところ、変化は見られなかった
※都市=東京、神奈川、大阪、愛知
■ICT・介護ロボット導入の必要性に関する考え方について、年齢別で比較した
- 介護業界全体のICT・介護ロボット導入が進むために必要な条件は「操作がわかりやすく簡単なこと」が最多。次いで「セキュリティが強固なこと」、「初期導入経費に対する支援」
- ICT・介護ロボット導入に関する自由意見では、「時間を効率的に使えるようになるのでデスクワークでのストレスがなくなり有用」など、書類業務が多いケアマネならではの意見や、「生産性向上のためには必須だが、 皆が同じ方向に向かうことが必要」、「高価なことが(普及が進まない)一番の原因」といった、必要性を感じつつも課題を指摘する意見も多く見られた
・データ入力が時間内に終わらない。ICT化により時間を効率的に使えるようになるので、デスクワークでのストレスがなくなり、とても有用と考えます。(男性、40代、沖縄県、居宅勤務)
・今後増々進む人材不足のなか生産性の向上のためには必須だが、皆がそれに対して同じ方向に向かうことが必要(女性、50代、島根県、地域包括支援センター勤務)
・導入に対するコストと使いこなすまでの人材教育の時間が課題だと思う(男性、30代、千葉県、介護老人保健施設勤務)
・ICTに弱い人が多く、タブレットごときでも導入できていない。(女性、60代、東京都、居宅勤務)
・絶対必要。今は導入コストや時間が手間と考えられるが、国が強制力や実施した事業所に補助金を付けても行うべき。(男性、40代、奈良県、居宅勤務)
・アセスメントやケアプラン作成に時間をかけると、定時退社は絶対出来ないです。効率よく、残業せずに仕事が出来る何かがあるといいと思います。いつまでも仕事は終わらないですし、持ち帰って仕事をされているケアマネが殆どです。(女性、50代、栃木県、居宅勤務)
・まだまだ普及がすすんでいないと感じる。高価なことが一番の原因では?実際に使っているところの事例(いい例も悪い例も)がたくさん見られれば、もっと活用意欲が出るかもしれない。(女性、40代、石川県、グループホーム勤務)
・介護ロボット、ICT化は開発の途についたところであり、未だ使い勝手も十分ではなくコストも高く便利なものと実感ができていない。業務の効率化、コスト削減を図れるよう今後の進化、進展を期待している。(女性、40代、東京都、居宅勤務)
・介護の近代化のためにも、現場の声を汲み上げながら、現場にマッチしたものを導入していけると良い。(女性、50代、青森県、特別養護老人ホーム勤務)
・今後ICT化になることで情報の透明性、時間の節約、連携など効率的になると思う。例えば、施設(ショート)デイ等の情報をタブレットなどで映像付きで説明すると利用者、家族の選択がしやすくなるメリットがある。今はパンフレット位しか資料として提供できないため漠然としたものがある。担当者会議等も現場に集合しなくてもビデオで意見交換も可能となり、移動などでかかる時間的コストが減る。全ての事業所がICT化の環境になればいずれ実現できると期待する。(女性、50代、東京都、居宅勤務)
<注釈>
*1「カイポケ」とは
「カイポケ」は、介護事業者の経営・財務安定化及び業務負荷削減をサポートし、介護事業者が目指す「理想の介護」実現を全面的に支援するサービスです。現時点で採用支援サービスや営業支援サービスなど約40の経営支援サービスを展開しており、全国約20,100事業所の介護事業所が会員となりご利用いただいています。http://ads.kaipoke.biz/
*2「カイゴジョブ」とは
「カイゴジョブ」は、約77万人の会員が利用する介護職向けの求人・転職情報サイトです。ホームヘルパーや施設介護職員・ケアマネジャー・サービス提供責任者・生活相談員などの求人情報をインターネット上で検索・応募が可能です。https://www.kaigojob.com
【調査概要】
- 調査対象:「ケアマネドットコム」に会員登録しているケアマネジャー
- 調査期間:2017年11月24日~12月1日
- 調査方法:インターネット調査
- 有効回答数:ケアマネジャー有資格者618名
【「ケアマネドットコム」とは】
「ケアマネドットコム」は、介護支援専門員・ケアマネジャーのケアマネジメントを応援する、業界最大級のコミュニティサイトです。最新ニュースや厚労省通知、セミナーなどの業務系情報、質問・相談掲示板やブログを提供しています。https://www.care-mane.com/
【本件に関するお問い合わせ先】
介護事業PR担当 竹原(たけはら)電話:03-6777-1203 E-mail : kaigoprinfo@bm-sms.co.jp