私たちが目指していること
エス・エム・エスは「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」をミッションに掲げています。私たちが社会の状況や変化、そこから生じている課題をどのように捉え、その課題をどう解決し、何を実現しようとしているかについてお伝えします。
未曽有の少子高齢化・人口減少時代が到来
日本では、急速な少子高齢化と人口減少が同時に進行する、かつて誰も経験したことのない時代が到来しています。65歳以上の高齢者人口は2020年時点で3,617万人に達し、既に25%を超える高齢化率は、高齢者人口が3,900万人を超えピークに近づく2040年には約35%となる見通しです。一方、経済活動の中核を担う15~64歳の生産年齢人口は減少に歯止めがかからず、その人口構成比は2000年の68%から、2040年には55%近くにまで低下すると予測されています。
高齢社会が直面する「3つの課題」
このような人口動態の変化を背景として、経済動向や国家政策、人々の価値観といった社会のありようは大きく変容し、これまでにない新たな課題も生じています。私たちは、高齢社会において解決すべき重要な社会課題が3つあると考えています。
●課題1 質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が困難に
高齢化に伴い医療や介護/障害福祉の需要が増大する一方で、生産年齢人口の減少により、これらのサービスを支える従事者の不足が深刻な課題となっています。国の推計によると、医療・介護/障害福祉従事者の需給ギャップは2025年に看護職で6~27万人、介護職で22万人にまで拡大する見込みです。高齢者や患者のケアを担う働き手の不足により、質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が難しくなると予想されます。
●課題2 現役世代の負担がより深刻に
高齢者人口の増加を受け、年金・医療・介護等を支える社会保障費は、2040年には2018年と比較して約1.6倍の190兆円近い規模に増大すると見込まれています。一方、生産年齢人口の減少により、医療・介護/障害福祉のみならず、日本のあらゆる産業で労働力が不足していきます。そして、1人の高齢者を支える現役世代の人数は2018年の2.1人から2040年には1.6人にまで減少し、現役世代にかかる負担はますます重くなる見通しです。
●課題3 高齢社会の生活にまつわる困りごとの解決が困難に
高齢化の進行により、社会で必要とされるサービスも変化しています。高齢社会では、介護や終活といった新たなニーズが生まれ、その需要は拡大していきます。しかし、こうした高齢社会の生活にまつわる情報は質・量ともに不足しており、また整理された形で提供されていないという問題があります。さらに、今後多くの産業で労働力が不足することで、高齢社会で求められるサービスの供給自体が不十分となることも懸念されます。このため、高齢者やその家族にとって、生活におけるさまざまな困りごとの解決が難しくなることが想定されます。
私たちは、高齢社会におけるこれら3つの社会課題を、ミッションの実現を通じて解決したいと考えています。
高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける
■高齢社会に求められる領域
私たちは、高齢社会に求められる領域を医療・介護/障害福祉・ヘルスケア・シニアライフと定義しています。
■情報インフラ
また、高齢社会における価値提供先をエンドユーザ・従事者・事業者とし、価値提供先をつなぐプラットフォームを情報インフラと定義しています。
■高齢社会の情報インフラにおける事業領域
そして、高齢社会に求められる領域および情報インフラとしての価値提供先を踏まえて、事業領域を設定しています。
高齢社会の課題と解決の方向性
私たちは、高齢社会が直面する3つの課題を情報インフラの構築を通じて解決していくため、それぞれの社会課題に対して具体的な解決の方向性を定めています。
まず、質の高い医療・介護/障害福祉サービスの提供が困難になるという課題(課題1)に対しては、圧倒的な人材の需給ギャップを解消するとともに、これらのサービス提供を担う事業者の業務効率向上や経営課題を解決することが重要であることから、「医療・介護/障害福祉の人手不足と偏在の解消」と「医療・介護/障害福祉事業者の経営改善」が解決の方向性になると考えています。
また、社会保障費の増大と生産年齢人口の減少により現役世代の負担がより深刻になるという課題(課題2)に対しては、より多くの人が生産性高く、健康に長く働けるようにすることが、「健康な労働力人口の増加」を通じて、課題の解決につながると考えています。
そして、高齢社会の生活にまつわる困りごとを解決するのが困難になるという課題(課題3)に対しては、高齢社会に関わる様々な情報を分かりやすく整理し、「多様な選択肢と質の高い意思決定情報を提供すること」を、解決の方向性として定めています。
4つの戦略的事業領域
このような解決の方向性に基づき、私たちは4つの戦略的事業領域を定めています。
具体的には、医療・介護/障害福祉従事者の不足と偏在の解消に挑む「キャリア事業領域」、介護/障害福祉事業者の経営改善とサービス品質の向上に貢献する「介護・障害福祉事業者事業領域」、生活習慣病やメンタルヘルス不調の予防・改善を図る「ヘルスケア事業領域」、高齢社会の生活にまつわる良質な選択肢を提供する「シニアライフ事業領域」――の各領域で情報インフラを構築することにより、3つの社会課題の解決を目指しています。
高齢社会に生きる人々のより良い暮らしの実現
私たちはミッションを実現し、3つの社会課題を解決することで、高齢社会における人々のより良い暮らしに貢献していきたいと考えています。
医療・介護/障害福祉などの領域において、従事者のより良い働き方やスキルアップ、キャリア形成を支援し、サービス提供を担う事業者のより良い経営の実現をサポートすることは、従事者や事業者が高齢者や患者により良いサービスを提供することを可能にし、最終的には高齢者や患者、その家族の安心でイキイキとした生活につながります。
同時に、私たちが生活習慣病やメンタルヘルス不調の予防・改善につながるサービスを提供していくことで、現役世代の方々は長く健康に働くことが可能になります。また、高齢者やその家族に対して高齢社会の生活にまつわる良質な選択肢を提供することで、人々は生活における困りごとを解消することができるとともに、人生の様々な場面で納得のいく意思決定ができ、より良い暮らしを営めるようになります。
高齢社会に適した情報インフラを構築し、高齢者や患者、そのご家族、現役世代の方々といったエンドユーザへ向けた直接的な価値の提供と、医療・介護/障害福祉サービスにたずさわる従事者の方々、様々なサービス提供を担う事業者の方々を通じた間接的な価値の提供を続けることで、私たちは高齢社会に生きる人々の生活の質の向上を実現していきます。